手持ちに合わせて敵を強くしたら、記録が意味を失った
『四十秒のオリ図鑑』には「40秒ラッシュ」という連戦モードがあります。回復もアイテムも無しで、どこまで勝ち続けられるかを競うだけのもの。自己ベストが残って、更新すると共有できます。先日そこで50連勝したとき、うれしくなかったのが引っかかりました。
相手が弱かったからです。そして、なぜ弱かったのかも分かっていました。自分でそう作ったからです。
親切のつもりが、記録を無意味にしていた
ラッシュの相手のレベルは、こう決めていました。
手持ち3体の平均レベル+連勝数÷3。
親切な式に見えます。育っていない人が挑んでも即死しないし、育った人には歯ごたえが残る。実際その通りに動いていました。問題は、これが記録と噛み合わないことです。
レベル20の手持ちで挑めば、相手もレベル20前後から始まります。レベル55の手持ちなら、相手も55から。どちらで挑んでも、同じくらいの連勝数で止まる。つまり50連勝という数字は、そのプレイヤーが強いことも弱いことも表していませんでした。
共有ボタンまで付けておいて、共有する中身が空だったわけです。
順番を全部固定した
直し方は単純でした。手持ちを一切見ない形にします。
- 出てくる相手は図鑑の並び順どおり。朝のオリから始まって昼、夕、夜へ進み、場所が変わるとまた朝にもどる
- レベルは1戦目がLv6。そこから1戦ごとに上がり、40戦目でLv60
- 7戦ごとに、ヒカリのすがたの個体が混ざる
いつ挑んでも、何周目でも、1戦目はアオシグレのLv6です。ここは迷いませんでした。順番が固定なら「前回は32戦目のクマカンバンで落ちた」という会話が成立します。前は顔ぶれをくじ引きで決めていたので、その一文は誰にも通じませんでした。
序盤がやさしすぎないかは少し悩みました。育ちきった手持ちなら最初の10戦はほぼ作業です。でも、はしごを登る形にする以上、下の段は踏まないと上に行けない。40秒制限があるので1戦が短く、退屈になる前に相手が追いついてきます。今のところは、このままにしています。
上限があると思っていた回数に、上限が無かった
同じ日にもうひとつ見つけました。こちらは調整ではなく、ただの不具合です。
このゲームには「十秒まきもどす」という手があります。直前の1手をやり直せる。強力なので、オリごとに使える回数が決まっていて、ボタンに残り回数が出ます。
その数字が、いつまで経っても減らないことに気づきました。
原因はすぐでした。巻き戻しは戦闘の状態をまるごと保存しておいて、それを書き戻す作りになっています。保存する項目の中に、「まきもどしを何回使ったか」まで入っていたのです。
使う → 回数が1増える → 状態を書き戻す → 回数が元に戻る。使ったこと自体が無かったことになっていました。時間を巻き戻す機能としては完璧に正しい挙動で、ゲームとしては完全に壊れています。白状すると、書いたときは気持ちよく実装した記憶があります。
保存する項目から回数を外して終わりでした。3回持ちのオリで3、2、1、0と減って、0でボタンが暗くなることを確認しています。
強くするなら、同じだけ重しを足す
もうひとつ、意図してバランスを動かした話も書いておきます。
各オリは「切り札」という専用の大技を持っています。ここに、育てかたで差が出る余地がありませんでした。同じ種のオリなら、手をかけた1体もそうでない1体も、切り札の威力は同じ。
そこで、同じ種を重ねて捕まえた回数と、まれに出る光る個体かどうかで、威力が伸びるようにしました。両方そろった1体は、素の状態の2倍以上の火力を出します。実測で1発220ダメージだったものが563まで上がりました。
ここまでやると、当然そのぶん最後が軽くなります。だから最終戦だけ別のレベル表を持たせて、ラスボスにはプレイヤーの上限を超えるレベルを与えました。上限55に対してLv60。彼女の前に立ちはだかる3体も、それまでの22・32・42から44・48・52に上げています。放っておくと、育てた切り札の前で最初の3戦が消化試合になるからです。
火力を上げるのは楽しい作業でした。同じ日に重しも足すのは、あまり楽しくありません。それでも、片方だけやると数字が大きくなっただけのゲームになります。
ラッシュのはしごも、まだ正解だとは思っていません。40戦目でLv60という傾きは、何度か遊んで決めた勘です。ただ、少なくとも今は「32戦目で落ちた」と言えるようになりました。